藤原 恵津子
価値観が違うと・・・
皆様 こんにちは。
可能性開花トレーナー藤原恵津子です。
ある雨の日、一人の女性が散歩をしていると、どこからかか弱いねこの鳴き声が聞こえてきます。
気になって声の方を探すと、溝にハマったずぶぬれになって震えている子ネコがいました。
身体は冷たく冷え切っています。
今にも消え入りそうなか弱い声。
見回しても親兄弟はいないようです。
彼女は子ネコを家に連れて帰りました。
温かいお湯できれいに体を洗って、温かいミルクを飲ませてやると、安心したのか子ネコはそのまま眠ってしまいました。
こうしてこの子ネコは彼女に飼われることになりました。
彼女はこの子ネコを大変かわいがり、子ネコは彼女のもとですくすく大きくなっていきました。
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彼女の家の前には原っぱがあり、そこにはチョウチョやカエル、蛇やモグラ、ネズミやスズメがいました
彼女は子ネコを自由にしていましたので、子ネコは昼間は原っぱで思う存分遊びました。
遊ぶ中で、子ネコはチョウチョを捕まえたり、カエルを捕まえたり、本当に楽しい毎日を過ごしていました。
しかし、どうしても捕まえられないものがありました
それはスズメです。
草原に身を隠し、そーっと近づいても、スズメにはすぐに見つかってしまい、逃げられてしまいます
何とか捕まえようと、いろいろ子ネコも知恵を絞るのですが、やはり逃げられてしまいます。
悔しくてなりません。
そうやって、月日が経ちました。
子ネコはたくましく成長していきました。
時々夢に見ます。
雨の日、溝の中で寒さに震えていた日のことを
お母さんともはぐれて、心細くで、ニャーニャー泣いていたあの日。
その時、そっと優しく抱き上げてくれ、家に連れて帰ってくれ、温かい住みかとごはんを与えてくれた今の飼い主。
その彼女には、感謝してもしきれません。
あの時、拾ってもらっていなければ、自分は今頃どうなっていたかわかりません
本当に本当に感謝していました。
だからこそ、もし、スズメを捕まえることが出来たなら、それは絶対に彼女にプレゼントする!と思っていました。
それは自分の成長の証でもあるからです。
そして、とうとうその日がやってきました。
幼いころからチャレンジしては失敗し、そのたびに次はどうやったらいいか学び、次に生かし…
やっと捕まえることが出来たのです。
苦労の集大成でもあり、成長の賜物。
まだ口の中で弱弱しく動いています。
ぐっと力を込めて思いっきり獲物を噛むと、ぽたぽたと血が滴り落ちました。
その感触は、自分に気高さを感じさせ、とても誇らしい気持ちになりました。
この記念すべき宝物、きっと彼女も相当に喜んでくれるに違いない!
「こういうものを捕まえられるようになったんだね!」と。
心うきうきしながら、スズメをくわえて帰りました。
早朝だったので、彼女はベッドの中でぐっすり眠っていました。
本当は、すぐにでも彼女を起こして、プレゼントしたかったのですが、よく眠っていたので、彼女の枕元に置きました。
彼女が目覚めたら、きっと喜んでくれるだろうな、ワクワク。
まぁ!なんて素敵な贈り物!
この子はスズメを捕まえられるような立派なネコになったんだって
どんな風に喜んでくれるだろうか。
想像するだけでウキウキします。
ネコは、彼女の目覚めが待ち遠しくてなりませんでした。
夜が明けました。
彼女の寝室から、けたたましい悲鳴が聞こえてきました。
おしまい