香取clImax貴信

加賀屋くんは自分の夢のスプラッシュマウンテンのキャストに、オープニングキャストになるわけですね。

ところが加賀屋くんはそれだけでは終わらないですよ。

「実はまたね、僕ね新しい夢ができた」・・って言うんですねえ。

「何～？」とかって言ったら、「今度は、僕ね、アメリカのスプラッシュマウンテンやりたい」って言うんですよね。

「いやいや、アメリカって、一緒じゃん（笑）」

「いや違う！周り方が日本とは逆なんだ ・・」

って！

「いや、それだけか～？！（笑）

無理だって・・だいたいな、お前英語しゃべれんのか？」

しゃべれないですよね。あいつも俺も中卒ですからね～。

「いいか、中卒のたかがバイトの英語もしゃべれない俺たちがそんなもん、向こうで働ける訳ねーだろっ！！」とかっていったんですけど、あいつそういうの動じないんですよね。

「大丈夫！大丈夫！英語でしょ！今から何とかする！」って言って、そこから3年経つんですよ。

3年後彼から連絡あるんですよね。

「香取君、覚えてる？僕3年前、向こうで働きたいって言ってたよね。」

「あ～言ってたよね」

「実は来週から1年半向こうで働く事が決まったんだ～～っ！！」って言うんですよね。

あいつ諦めてなかったんですよ。 

彼のポリシー、こだわりって言うのは、絶対諦めないってのが彼のポリシーです。

ゲームセットはいつでも自分って言ってます。

だからね～、あいつと一緒に初詣とか一緒に行くと大変ですよ。初詣に行くと神社におみくじってあるでしょ。あいつ大吉出るまで引きますからね。一人一回って書いてないって。

「いいでしょ！俺の人生なんだから！いいじゃん、俺が納得するまで引いて・・」って。

だから100円続くまでやるんです。そんなタイプ。

まず最初にやったのが、英語を覚えよう、と。

でも英語を覚えるためには、お金がかかるんですよね。

でも金はないんです。バイトの一人暮らし。 金のかからない方法をいくつか考えます。

そのうちの一つが、友達を作ろうって思ったんです。

外国人の友達を作れれば、しゃべれるようになるんじゃないかって。

ディズニーランドには外国人いっぱいいるんですよね。

シンデレラにピーターパン。あれ全員休憩してますからね～。

シンデレラ、ピーターパン が休憩しているところに行くんですよ。

「友達になって～、友達になって～」って。

最初は「お前気持ち悪いからあっち行け」って言われるんですよ。

でも、ヤツはめげないですよね。

そのうちね、段々、段々からかわれるようになるんだと。

「香取君、からかわれるようになったらこっちのもん・・」と。したたかでしょ。

ヤツは、からかわれるようにして、仲良くなるんです。

距離を縮めていくんです 。

そして英語を覚えるんですよね。

2年かけて英語を覚えます。

同じ2年でお金も貯めます。

今度はアメリカのディズニーランドだと。

向こうで働いてる人間と友達になれれば、何か糸口が見つかるんじゃないか・・

でもいきなり行っても日本人だし、バカにされるの分かってますから・・

彼は考えました。

日本に自分みたいな奴がいるでしょ。アメリカにも同じヤツがいるはずだ～！って。

ほんで、行っちゃうんですよ～。

何をしたかって言うと、ヤツね、アメリカに行くときにスーツケースいっぱいに

東京ディズニーランド、東京って書いてるロゴの書いているグッズを片っ端から買い込んでいくんですよ。

それをスーツケースパンパンに入れて。

そして、アメリカのロサンゼルスのディズニーランドの前で、全身につけるんですね。

東京ディズニーランド、東京ディズニーランド、って。

「そうするとね。こっちから声かけなくても、向こうからかけてくる！」

って言うんですよ。

そりゃそうでしょ。怪しいですもん。

「お前東京から来たのか？」ってなるでしょ。

「そうなんだよ！これあげるから友達になろう！アドレス交換しようよ」

ってやるんですよ。

でもね、神様はいますね・・

彼がその旅行の最終日、パレードを最前列で座って待ってたんですって。

そしたら、その横になんとアメリカ版の加賀屋くんが座ったんですね(笑)

これ、スコット君って言うんですよ。

スコット君って言うのがディズニーの関係者だったんですよね。そこから意気投合ですよ。

当時まだインターネットがないですから、国際電話かけたり文通したり・・。

ある時、スコット君が教えてくれるんですね。

「加賀屋くん。日本にディズニーストアってないか？ディズニーのキャラクターショップ。

そこね、今ねインターンシッププログラムっていうのをやっている。試験を受けて受かるとこっちのディズニーストアで働けるよ！」って教えてくれるんです。

ほんで加賀屋くんは、それを聞いて、よっしゃー！って言って、ランドを辞めて、卒業して、ディズニーストアに潜り込むんです。

調べたら、半年後に試験。

よっしゃ！これだ！！と猛勉強ですよ。

勉強して、勉強して、勉強して・・その試験を受けます。

当時、予選を含めると300人くらいの人たちがその試験を受けるんですよね。

でもね、その・・300人のうちの2人に選ばれるんですよね。

すごいでしょ～。

ね～、でも俺、器ちっちゃいんですよね～。

だからそれ聞いた時に、ん～・・・って思いましてね（笑）

ほんで1年半、行っちゃうんですよね～。

「でも加賀屋、お前がやりたいのはアトラクションだろ。向こうでやんのってショップじゃん。それって、全然違うじゃん」とかって言ったんですけど、あいつそういうの動じないんですよね。

「大丈夫！大丈夫！香取君～。1年半あるから、行きゃ何とかなる～！」

とかって言って行っちゃうんですよ。

行って帰ってきて、1年半の間にヤツは、2つのアトラクションをやるんです。

ジャングルクルーズとスプラッシュマウンテン。

これね、やり方一緒。

直球勝負なんで、とにかく空いてる時間があったらチケット買って入るんです。

それで、スプラッシュマウンテンに行って、そこにいる従業員に片っ端から直談判。

「働かしてくれ、働かしてくれ。俺、これ日本でやったことあるんだ。ほらほら、ね、ね、

写真見て。ほら写ってるでしょ。ほらほら、これやったことあるんだよ。頼む、俺これやるために来たんだよ。働かせてくれよ」って毎日続けるんですよね。

そうするとね、1カ月もしないうちに、向こうで有名になりますね。

変な日本人が毎日来る・・と（笑）

そしたらスプラッシュマウンテンの従業員全員が彼を応援してくれるんです。

マネージャーに推薦してくれました。

いまだに日本人のアルバイトでアトラクション動かして帰ってきたのは、多分彼が最初で最後じゃないですかね。

そんな風にして、自分の夢を成し遂げます。

今はもう日本に戻ってきています。

僕はね、その当時、加賀屋くんの事、バカにしていましたよね、最初。

「オタク、オタク、お前気持ち悪ぃ～」って。

もうバカにできないですね。

悔しいですけど、当時一番お客様から感謝の声をもらっていたNO.１は加賀屋くんでした。

あいつくらい、自分が選んだ自分の仕事をとことん好きになることができたら、その情熱やこだわりで、周りの人にもね、影響与えられるし、人生も最高になっていくんじゃないかな、って思います。

ぜひ皆さんも、その情熱をもってやれたらいいんじゃないかな～って思います。

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