わたなべきくこ
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孤独なときあなたは美しい

2021/4/ 9配信


皆様


こんにちは。渡邉希久子です。


11358_202009


少しご無沙汰しております。


ここ数日間、野暮用続きで少々疲れ果て


珍しく頭痛が続いておりました。


 


色々なことが手付かずでしたが


昨日から回復してきまして、今は元気です。


 


さて、今回は古事記ではなく光野桃さんの本「自由を着る」


の紹介です。


 


自由を着る


 

 


前から持っていた本でしたが


これまでは光野桃さんのワードローブの素敵な洋服の写真を


パラパラとしか見ていなかったのです。


 


この本は、もっと着こなしをどうするか


という内容の本だと勝手に思っていましたが


読んでみると、その予想をいい具合に裏切られました。


 


 


「孤独なとき、あなたは美しい」


 


節のタイトル、その言葉に惹かれ、ページをめくってみると


 


オットー・クンツリというジュエリーアーティストの


展覧会のエピソードが書かれてありました。


 


オットー・クンツリは、"コンテンポラリー・ジュエリー"という


前衛的なアートの草分的な作家です。


 


その展示の中で、「ビッグファミリー」という名の


参加型作品の話が出てくるのですが


鑑賞者が自分の好きな球体を持参して、好きな窪みの位置に置き


全体で大きな首飾りを作る、というコンセプトの作品です。


 


この台座が円形になっているため、見知らぬ人がそれぞれの持ち寄った球体を


置いていくことで、全体でみると大きな首飾りになるというものです。


 



2015年庭園美術館での実際の展示


 


 


この作品のテーマは、ひとのつながりの脆さを想起させるものである


 


と書かれていて、と同時に


 


関係性とは必ずしもつながっている状態を目指すのではなく


多様な個性や価値観が、ときにぶつかりあい途絶しながらも、


互いに影響しあうことを表現した


 


と図録に書かれていたそうです。


 


 


そして、著者は


 


ひとが直接肌に身につける装身具というものを


作り続けてきたひとだから、わかることなのかも知れないと思った。


人間がどれほど多様なものであるか、作家は知っているのだ。


 


 


と思い、この後に長沢節さんのエッセイを思い出し


彼のエッセイを読み返すことになります。


 


長沢節は、日本を代表するクリエイターを数多く輩出した


「セツ・モードセミナー」という画塾の校長で


ファッション・イラストレーター、映画評論家、ファッション評論家


コラムニスト、などの肩書きを持ち生涯現役を貫いたファッション界の重鎮。


 


 


その長沢節さんのエッセイ集を紹介しながら
「弱いからこそ、美しい」や「女はマッチョに生きると危ない」


など、彼の美意識の深淵が語られます。


 


そのエッセイから浮き上がってくるエッセンスを拾いながら


著者は病気や友人の死の経験から


"寂しさと孤独とは別なもの"ということに辿り着きます。


 


寂しさを恐れ、そうではないようにすることが生きることだと思ってきたが、


五十代も後半になったこのとき、冷え切った堅い灰色の密室のように思えていた寂しさが、


もっとやわらかな、海のそこのような色彩に変わったような気がした。


 


孤独こそが人間の常態


 


それを病気と死を経験して実感したのだといいます。


 


 


長沢節の「孤独は愛と仕事を生む」というエッセイの中で


孤独とは


 


独立した個人(人格)として広い世界に放たれた感じ


 


だと書かれていたそうです。


 


寂しさとは違う"孤独"は、何ものにも帰属せず世界に放たれること、


それは言い換えれば「世界に自由につながれること」でもある。


 


と、著者は語ってます。


 


 


ブログなので端折って書いていますが、よかったら本を実際手に取って


読んでみてください。


 


 


ふと、クラブハウスで、とある映画人の方が


語っていたことを思い出しました。


 


クラブハウスで、人と人が繋がりやすくなった


などのテーマで(私は聞き専ですが)


と和気藹々と話をしていたグループでのこと。


 


そろそろ話も終わりかなと思った頃


飛び入りで入った、とある映画人の方がやってきて


 


本質的な繋がりを持ちたかったら


孤独をみつめて何かを生み出した者同士でなければ


本当の繋がりなんかはできない


安易にアウトプットできるようになったから


繋がったような気分になっているが実際は繋がっていない


 


と言って、一瞬、場が凍りついた感じになりました。滝汗


 


 


主催者の方は、どちらの意見も否定せず


上手にフォローしていましたが


 


 


でも、厳しい表現ではありますが


確かにそういう面はあると思います。


 


 


自分の弱さも見つめられ受け入れられたとき


孤独を優しく迎えられるのなら


他者の弱さも優しい眼差しを向けられるのではないか。


そこに何らかの関係性が生まれることもあるだろう。


 


などと思いました。


 


 


 


"寂しさ"ではなく


やわらかな海の底のような色彩の"孤独"を知った魂は


何を求めるだろう。


 


著者は最後の方でこう書いています。


 


 


人間の基本形態がひとりであること。それを心底感じたとき、


ひとは他者にも自分にも真の優しさをもてること。


愛はそこに生まれ、育まれること、そして、強くなくてもいいのだ、


ということを。


 


だから


 


孤独を引き受けてひとり立ったとき


人は美しい


 


のでしょう。





 


 


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★「あなたから生まれる絵と物語が絵本になる」企画


 


ペン画絵本企画 
絵とお話としての文
お話をお聞きし、その方の世界の一部となる絵と文を作成します。


 



 


満員御礼となりました。ありがとうございました!


次回の募集は未定です。


 



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絵や絵本は子供だけでなく
大人が本来の輝きを取り戻せるセラピーだと捉え


大人のための絵と絵本の制作・活動をしています。
 






  

 


 



 


 


 


 


 


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