鈴木睦枝
鈴木睦枝

こんな人になりたいと思ったこと

2021/7/27配信
皆様

おさるカフェ鈴木睦枝です
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
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今回もまた、少し昔のお話をさせてください。
ご存知の通り、
私には長女と2歳違いの双子男子の子供がいます。

3人の子育ては本当には大変で、
双子が4歳くらいになるまでは
毎日が戦争のようでした。

特に大変だったのが
スーパーでの買い物です。
その頃使っていた重たい双子用のベビーカーを片手で操りながら
言う事を聞かない長女を連れての買い物は
急ごうとするとイヤイヤ期の長女が泣き、
時間をかければ双子がぐずり出して泣き……

スーパーのレジ待ちの最中、
大声で泣く子達に
途方に暮れることもしばしばでした。

子連れでの買い物は本当に大変だったので

私は夕食後に
子供たちを夫に預けて
買い物に行くようになりました。

ある日、いつものように
夜にスーパーで買い物をしていました。

その日はとても疲れていて、
思うように家事が進まず、
この後しなければいけないことを考えて
気持ちが急いて
イライラしていました。

そんな時
小柄なおばさんが
私の前に急に立ちはだかりました

私は
(ん~もう! 邪魔やな!)

口には出しませんでしたが
明らかに顔と態度で嫌悪感を表して
おばさんに目を向けると

そこには
優しい笑顔でほほ笑む、
弥勒菩薩のような女性が立っていました
(普通のおばさんでしたが私にはそう見えました)

「あら、ごめんなさいね」
ゆっくりと優しく、そよ風のように爽やかに、
弥勒菩薩(そのおばさん)は言いました。


弥勒菩薩って知っていますか?

有名な日本最古のお寺、広隆寺の弥勒菩薩は
アルカイックスマイルと言われる微笑みで
世界で絶賛されているそうです。

「あなたの顔を見ていると こころの中の 波がしずまる」

作家の相田みつをさんが、
広隆寺の弥勒菩薩を読んだ詩です。


その時私はまさに、
「ココロの中の波がしずまって」

一瞬で癒されました。

それから私は
慌てて背筋を伸ばし、
「いえ、こちらこそすみません」と
できるだけ優雅に、しっかりした声で言ってその場を去りました。


それでね、私、思ったんですよ。

すごいな〜
私もあんな人になりたい!

って。
めっちゃ単純ですが(笑)

毎日毎日、
自分のことに精一杯で
周りが見えず
いつもイライラして

それを
環境や
自分以外の誰かのせいにして
生きていた自分が

弥勒菩薩のような
会うだけで癒される
人間パワースポットになりたい!

そう思っちゃったんですよ。


日本では
子供が小さい頃から
親や学校から

人に優しくとか
怒りをぶつけてはダメとか
気持ちに余裕を持ってとか

そんな教育的指導を
誰もが受けています。

でも、世の中の大人で
どれだけの人が

利害関係のある人や
好きな人以外の

それも
「スーパーで急にぶつかってきた、不機嫌そうな女」に
惜しげなく愛を与えることができるでしょうか。

そんなことができる彼女は
本当に弥勒菩薩のようで、
私はそんな、名前も知らないおばさんに
強烈に憧れたんです。

その日から私は
どれだけ疲れていても
スーパーに行くたびに
ニコニコし、優雅な動きを心がけました。
誰かがぶつかってきたら
(今だ!)とばかりに
優しく微笑んで道を譲るようにしました。

なんなら
ニヤニヤして
少し気持ち悪い人だったかもしれません。

でもね、気づいたんですよ。
そうしているとね、
「私も」癒されるんです。

あの人のように
いつか誰かを癒してあげたい

そんな気持ちを持って行動していたら
いつの間にか、
「自分が」癒されていました。

やさしい気持ちになることって
人のためだけじゃない

情けは人のためならず、ですね。


ちなみに
「弥勒菩薩」とは
サンスクリット語で
「慈悲」または「友」という意味を持ち、

お釈迦様の次に仏になることを約束された、
後継者のような存在らしいのですが
今だ、悟りを開いておらず、
現在も修行中なんだそうです。
そして56億7千万年後に
人類を救うといわれています。

不思議なことに、この56億7千万年という期間は、
太陽系の余命とほとんど一致するようです。

太陽が滅びるときに人類を救うという使命を持つ、
そんな尊い存在だそうですよ。



あれから、15年ほど経ちました。
双子も長女も揃って高校生になり
子育てはひと段落しましたが

やっぱり今でも
ココロがイライラしたり
トゲトゲしたりすることはよくあります。

スーパーでイライラしている人ってね、
多分私みたいに
子育てやお仕事や生活に疲れていて

それでも買い物しなきゃいけなくて
多分その上、買い物をした物を
料理しなきゃいけなくて

すごく頑張っている主婦の人だと思うんですよ。


そんな頑張っている主婦の気持ちを
少しでも軽くできれば
彼女が家に帰ったときに
子供や家族にも優しくできて、
幸せの循環が起こりますよね。

弥勒さんのように人類を救うことはできませんが
あの日の私が救われたように
スーパーの中の誰かを
たった一人でも癒すことができるとしたら、
めっちゃかっこいいよな! 
なんて、思いませんか?

皆様も
よかったら、太陽系の小さな星の小さな国、
NIPPONの一角から
一緒に幸せの循環を起こしませんか?
もちろん、自分のために。
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