浜田義之
投影(とうえい)ってなに?
皆様
いらっしゃいませ、マスターの浜田です。
近々、ご希望者限定で個人セッションを行おうかなと考えています。
またアナウンスしますのでお待ちくださいね。
では今夜のお話です。
よく人は、他人や物事に自分の「考え」を
【投影(とうえい)】しているって言いますよね。
ゆえに人は、あるがままにモノが観えていないと言います。
だけど、わたしたちはいつ、どんなときに、
どんなふうに、投影をしているのでしょう?
今夜はバーのカウンターで、マスターと常連のレイコさんが、
「投影」について話していますよ。
あなたも2人の話を聞いてみませんか?
では、あなたもカウンターのお隣の席にどうぞ。
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投影(とうえい)ってなに?
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登場人物
R子 常連レイコ
M マスター
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R子 マスターこんばんは。
M あ、これはレイコさん、いらっしゃいませ。
R子 今夜は寒いですね。
まず温かい飲み物がいいな。
M では、はちみつを使ったホットカクテルの
ホットディーはいかがでしょうか。
R子 あ、それ美味しそう。
お願いします。
M かしこまりました。
R子 ところでマスターに聞いてみたいことがあるんだけど。
M なんでしょうか?
R子 心理学の世界なんかで「投影(とうえい)」って言葉があるでしょう?
物事は本当は中立で、本来はいいも悪いもないし、意味はない。
だけどそこに自分の信じ込んでいる思い込み(観念)を人は投影している。
だから人はあるがままにはモノが観えていないってやつ。
M ああ、はい。
R子 でね、「投影」って言葉はよく耳にするし、
知識では知っているんだけど、
でも自分がどんなときにどんなふうに
自分の信じ込んでいる思い込みを投影しているのか、
具体的なことがわからないの。
M ああ、なるほど。
R子 マスターって「ああ、これが投影なんだ!」って
気づいた話ってあります?
M それはいいタイミングですね。
実はつい先日、「ああ、これが投影なんだ」って
すごく実感した面白い経験をしたところなんですよ。
R子 え!そうなの?
それはすごい!ぜひ聞かせて。
M 実は先日、友人と話していた時のことなんですが、
友人は背の高いワンボックスのクルマに乗っていましてね。
R子 うんうん。
M で、わたしは車高の低いオープンカーに乗って行っていたんです。
R子 ああ、マスターの愛車のロードスターですね。
M そうそう。
でね、友人と話していたら、
友人曰くロードスターに乗るのは楽しいんだけど、
でも自分がオーナーになるとしたら、
背の低いクルマは苦手だなぁって言うんです。
R子 それは視界が低いから?
それとも視線が低くてスピード感が速く感じるからとか、
後ろのクルマのライトが眩しいからとかかしら?
M わたしもそう思ったんですよ。
だけど友人に聞いてみたら、車高の低いクルマって、
車高の高いクルマから覗き込まれるみたいで、
それが居心地が悪いって言うんですね。
R子 はあ。
M で、聞いていたら、オープンカーだけでなく、
サイドカーに乗っている人とか、
最近見かける三輪バギーみたいなバイクなんかも、
他の人から見られるみたいで居心地が悪いって言うんですよ。
R子 へぇー。
M で、わたしもへぇーって言ったんです。
そんなことが気になるんだ、面白いなって。
R子 うん、わたしも、そんなことが気になるんだあ、
面白いなぁって今思いました。
M でしょう?わたしもはじめそう思ったんです。
なにせわたしはそんなことは気にならないので。
だけど。
R子 だけど?
M ふと思い出したんですよ。
最初にオープンカーのオーナーになった頃って、
そう言えば屋根を開けるのちょっと恥ずかしかったなって。
R子 ああ、マスターも以前はそう思ってたんだ?
M そうなんですよ。
最近はそういうことは全然気にならない。
出先で同じクルマに出会ったらお互いに挨拶して手を振って楽しいし、
クルマを止めていたら「気持ちよさそうですね」って声をかけられて楽しいし、
走ってるときに道行く人がこちらを観たら、
「気持ちよさそうでしょう?」なんて思う。
R子 うんうん。わたしもそう思うかな。
M だけど最初にオープンカーのオーナーになったころは、
屋根を開けるのがちょっと恥ずかしくて、
躊躇していた時があったんですよね。
で、田舎道や海岸線なんかを走るときは屋根を喜んで開けていたけど、
最初の頃は街中では開けるのを躊躇していたんです。
R子 へぇ。そうだったんだ。
M でね、友人の話を聞いたとき、
ふとあの頃の自分って、オープンカーで屋根を開けて走っている人や、
サイドカーとか三輪バギーとか乗っている人に、
自分は【どんな思いを投影していたのかな?】って振り返ってみたです。
R子 ほおほお!
M そうしたらね(笑)。
R子 そうしたら?
M あの頃のわたしって、そういう乗り物を楽しんでいる人を見ると、
「なんだイチビッているな」って思ってたんです。
R子 い...イチ...イチビッテイル????
M 関西弁で「生意気」とか「気取ってる」とか
「いい気になっている」っていう意味です。
R子 ああ!
M で、あの頃の自分ってそんなことを思っていて、
そしてオープンカーとかそういう乗り物に乗っている人を見ると、
そんな考えを投影していたんだって気づいたんです。
R子 へぇー!!!!
M あれこそ投影ですよね。
今思えばあの頃のわたしって、趣味や人生を楽しんでいる人を観ると
羨ましかったんですね。
だけど羨ましいなんて自分では認めたくない。
で、そんな生き方ができていない自分に、
自分では気づいていませんでしたが劣等感のようなものを
感じていたんだと思います。
だから「イチびりやがって」みたいなひねたモノの見方を
していたんですね。
R子 つまり当時のマスターは、
趣味や人生を楽しんでいる人を見ると、
自分の劣等感を投影していた...ということなのね。
M そうなんですよ。
R子 そうかあ。
それ、すごくわかりやすい!それはまさに投影ですよね。
M ですよね(笑)。
R子 でもね、今はマスター、そんなこと全く思わなくなったんですよね?
M ええ。
雨やよほど暑かったり、寒かったりでない限り、
屋根を開けて走る解放感を楽しんでいます。
R子 どこでどんなふうにして、そう変わったの?
M そうですねぇ。
実際開けて走ったときの爽快感の気持ちよさを知ったこと。
そしてオープンカーライフを楽しむ人たちと知り合ったり、
出先でロードスター同士出会った時に、笑顔で手を振ったり、
そんな楽しさを知ってからでしょうか。
R子 楽しさを知って、楽しんで生きるようになったら、
気にならなくなった?
M そうですね。
そしてもう一つ。
自分と、自分の内面と向き合うことをやっていく中で、
自分のイケてないところとか(笑)、ネガティブな側面もあることを知って、
受け入れるようになったことも大きいと思います。
R子 やっぱりそれなんだね。
そうえいばゲド戦記という小説の中で、
自分のどうしても認めたくない、受け入れたくない闇の側面を
受け入れた人が【全き存在】となるって話がありましたね。
M そうでしたね。
R子 そうか!
よく人は鏡だって言うけれど、
わたしたちって誰かを前にしたとき、
実際は、ありのままのその人はみえていなくて、
(無意識に)自分の観念を投影したものを観ているのね。
だから人は鏡だって言われるのね。
M そうなんでしょうね。
はい、お待たせしました。
ホットディーです。
R子 ありがとうございます。
わぁ、美味しい!
M ありがとうございます。
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あとがき
今夜のお話はつい先日、
友人との会話の中で実際にわたしが気がついた実体験です。
よく人は自分を映す鏡とか、
人は常に自分の信じ込んでいる観念を投影していて、
ありのままに人や物事が観えていないと言いますが、
この一件から、本当にそうなんだぁ!とすごく腑に落ちる体験をしました。
よかったら今日から、他人や出会った場面に対して
違和感を感じたり、なにか感情的になったとき、
(分析やジャッジは脇に置いて、中立的な視点から)
「おや?なにを投影しているんだろう?」って観てみてください。
思いもかけず、自分が信じ込んでいたことすら気づいていなかった、
信じ込みが明らかになって、自由さが人生に手に入れるかもしれませんヨ。
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