浜田義之

酒と悟り 第参拾六話 大人になって還ってきた

2021/1/ 1配信


皆様


 


あけましておめでとうございます
マスターの濵田です。




数か月にわたって連載してきた
一人の男が本当の自分に帰っていく物語「酒と悟り」



今日は第一章「座禅修行編」のいよいよ最終回です。



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   これまでのあらすじ


バーで不思議な紳士と出会ったことがきっかけで、
男の本当の自分に還る旅がはじまった。



男は不思議な縁から座禅修行へとおもむく。



そこで男は生まれ変わる体験をした。



1週間の禅修行は男の「なにか」を変えた。



男は変わった。



そして男は老師に別れを告げ、元いた世界に帰還する。


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   大人になって帰ってきた
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男はローカル線に揺られながら新幹線の駅に向かった。


 


海沿いの単線。


 


初夏の明るい陽射しが青い海を輝かせていた。


 


海はキラキラと光っていた。


 


一週間の禅修行。


 


一生の間のほんのわずかな時間。


 


ほんの小さな小さな出来事。


 


だけどこの一週間は男の「なにか」を変えた。


 


男は自分の中の「なにか」が変わったのをはっきりと感じていた。


 


男は自分のうちの静けさを知った。


 


喧噪の中の静けさ、自分の鼓動の向こうの静けさ。


 


静けさが自分のうちにあることを知った。


 


そして男の中に目には見えない軸が、
中心ができたのを知った。


 


なにがあってもぶれることのない中心。


 


それが自分のうちにあるのを知った。


 


そして落着き。


 


かつてない落着きが男には身についていた。


 


いや、身につけたのではなく、落着きが男に宿ったのだろう。


 


男は禅道場を訪れる際もこのローカル線に乗っていた。


 


だが訪れたときの自分と、今去ろうとしている自分は、
同じ男でありながら、別の人に変わっていた。


 


彼は去ったのだ。


 


そして今、新しい、おそらく本来の自分がここにいる。


 


駅につくと男は自分の街に向かう新幹線に乗った。


 


男が自分の指定席に座ろうとした時だった。


 


「やあ」


 


後ろから声がした。


 


振り向くと禅修行で一緒だったカウンセラーが立っていた。


 


「隣の席だったんですね」


 


男は笑顔でうなずいた。


 


新幹線が走りだし、窓の向こうの景色が動き出した。


 


男はしばらくの間、流れる景色を静かに見つめていた。


 


ふと隣のカウンセラーが声をかけてきた。


 


「あのね」


 


「ええ」


 


「君は禅修行の間ずっと、雑念に悩まされていたって言ってましたよね」


 


「ええ」


 


「実はね、わたしは全く大丈夫だったんですよ」


 


「.......」


 


なんか変なことを言い出したぞ.....。


 


と男は思った。


 


このカウンセラーはなにを言い出すのだろう?
男は黙ってカウンセラーの次の言葉を待った。


 



「座っていると雑念がやってくるでしょう?」


「そしたらね、そこで心理学のメソッドを使って、
浮かんできた雑念にイメージングでダイナマイトを括りつけるんですよ」


「で、風船で宙に浮かび上がらせて、空中でバン!って爆発させるんです」


「雑念が浮かぶたびにわたしはこれをやってたんです」


「だから雑念に苦しむことは一切なかったんですよ」


 



カウンセラーは笑顔で得意げにそう言った。


 



男はポカンとした顔でそれを聞いた。


 



あんたそれ....全部雑念じゃんか!!!!!


 


男は心の中で苦笑した。


 


男はなにも言わなかった。
なにも言えなかった。


 


得意そうな顔をしているカウンセラーに、
「それ、全部雑念だよ」「一週間なにも得られなかったんだよ」
とは言えなかった。


 


カウンセラーは間違った禅をして、
これから関わるクライアントに間違った手法を伝えるのだろうか。


 


だけど男はなにも言えなかった。


 


が、しばらくしてだんだん可笑しくなってきた。


 


人って....なんて自分のことが見えないんだろう(笑)。
なんて自分のことを知らないんだろう。


 


かつて最初の師は男に言った。


 


魚には水がみえない
鳥には空気がみえない
そして...人は自分がみえないと。


 


人って本当に自分のことが見えないんだ。


 


そう思うと可笑しくなってきて、思わず吹き出していた。


 


「どうしたんです?」


 


そう問うてくるカウンセラーに男は、
「いや、なんでもありません(笑)」と笑いながら答えていた。


 


彼が幸せならばそれもまたいいのかもしれない。


 


そんな気がした。


 


駅に着くと男はカウンセラーと別れた。


 


改札を抜けると男の友人たちが迎えに来てくれていた。


 


禅から帰ってきた男がどうなっているか興味があったらしい。


 


男と顔を合わすなり、友人の一人の女性が小さく声をあげた。


 



「あ、なんか大人になって帰ってきた....」


 


大人になった。


 


男はこの言葉がなんだか嬉しく感じた。


 


駅を出ると初夏の太陽がまぶしかった。


 


第一章 座禅修行編 終


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       あとがき



数か月間に渡り連載してきた「酒と悟り」の
「座禅修行編」はこれで完結です。



連載してきたお話は、すべてわたしの実体験がベースになっています。



文章も行間から、言葉の一つ一つから、
受け取れるように描いています。



思い出す度何度でも読み返していただければと思います。



その度、以前は気づかなかった新しい気づき、
発見があり、あなたの人生に活かしていただければ幸いです。


 



こちらより第一話からお読みいただけます。
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次回から新章に突入します。



楽しみにしていてください。



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    マスターからのメッセージ



座禅瞑想はわたしの人生を変えました。


本当に変えてくれました。



2021年の今年、本格的に瞑想をはじめませんか。



基本のしっかりとした瞑想は、本当に自分を変えてくれます。



続ければ続けるほど、変わっていきます。



軸ができ、中心ができ、落着き、
人生を創り出す【在り方】が変わります。



本格的に瞑想をはじめたい方に一緒に瞑想をできる
オンライン瞑想会を本格的にはじめることにしました。



瞑想会のアナウンスは近々行いますので、楽しみにしていてください。


 



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体験瞑想会を行っています。



ご関心のある方はぜひご参加下さい。


 


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そして今月末より「ハート(魂)のコミュニケーション基礎実践講座」
をはじめます。



こちらも近日中にご案内できると思います。



楽しみにお待ちください。


 


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