個性的な魅力や豊かさは、一見「なんにもない」ところにあるという話。
皆様
いのちのピアニスト有本紀です。
久高島でのパーソナルCD制作の募集は、明日12/9の午後8時から行います。
長年あちこちを旅していると、地元民から「なんもないところでしょ」という言葉を聴かされることがよくあります。
「あー、わかる」って人も少なからずいると思うけど、個人も同じだよね、って今日はそんなお話です。
旅人の視点からすると、地元の人の言う「ここにはなにもない」という言葉ほど当てにならないものはない。
なので旅人や移住者はときに、地元民にとっての当たり前の中に、もっとも貴重なものがある、ということを気づかせることがある。
光るものは、たくさんの人を呼べる観光地とか名物とか、名の通った”売り”とは違ったところに、変わらず静かに存在しているものだ。
これは個人にも言える。
自分があたりまえにもっているものの魅力は、自分には当たり前すぎてなかなか自覚できないもの。
そこに、ほんとうの豊かさとか個性というものがあるのに、本人は頑なに気づこうとしなかったりさえする。
パーソナルCD制作も、旅人の視点のようなところがある。
本人の本質的な美しさを、音楽として本人に体感してもらったとき、はじめてありのままの自分の素晴らしさを自覚することがよくある。
ほんとうはむしろ、個性的でない、売りもない、「なにもない」方が、磨滅していない、手付かずの魅力、豊かさが保たれているのかもしれない。
ふと吉野川市での日々の印象をYouTubeに残しておきたくなって、動画にしてみた。
録音データを見ると202011月26日01:05となっていた。
つまり、吉野川の皆さんと初めて出会った夜、飲み語らった挙句の勢いで即興演奏を行ったときのものだ。
その日の夕方、ひとり吉野川の河原で夕焼けを見ながらコーヒーを淹れて良い気分になっていたその印象からの流れの演奏だった。
即興演奏は、作ろうと思って作らない演奏だ。
練習もしなければ、構想も練らない。
流れてくるものに任せるのが基本で、自分でも自分の奏でる音の美しさに演奏しながら驚いたり、感動することもあるほど、「僕の演奏であって、僕の演奏でない」。
写真も地元の人からすると、もっと良い写真にしてもらいたかったかもしれない。
iPhoneで撮った個人的なスナップ写真を並べただけだから。
でも、こういう意図しない日常の中にこそ豊かさがある、ということを、録音した演奏を聴いて教えてもらえた気がしたので、あえてそのままYouTubeにアップしてみました。
よかったら聴いてみてください。
紀さん夢紀行 即興ピアノ in 徳島県吉野川市
【各地でのパーソナルCD制作セッション】
12/12~14 広島市内
12/16~22 久高島、沖縄本島などを予定
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