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イライラしたから攻撃的になった…は勘違い:感情的に行動してしまう問題(2)

2020/9/ 9配信



 


皆様、こんにちは。


行動アシストラボの矢野です。



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イライラしたから攻撃的になった…は勘違い


 


前回のあらすじ。


感情は、トリガーとなる刺激に対して条件付けられた反応が自動的に生じるもので、例えばSNSの通知音がトリガーとなって自動的に不快感を感じてしまうわけです。


加えて文脈を考慮にいれると、「ひと仕事終えてのんびりしているときにSNSの通知音が鳴った」場合と、「〆切間際で急ぎの仕事を焦りながらやっているときにSNSの通知音が鳴った」場合とでは、生じる反応の強さ(イライラの度合い等)が変わりそうなことがわかります。


 


感情がそうなっているとして、では行動はどうでしょうか。


僕たちの行動は基本的に「行動に伴う結果」の影響を受けます。


行動することにメリットがあればその行動は増加しますし、デメリットがあれば減少します。


例えばSNSの通知音がうるさくて不快感を感じていれば、通知音をミュートするかもしれません。


こういった行動は、次のように記述します。


 



  • 行動前:SNSの通知音が鳴る → 行動:ミュートにする → 行動後:SNSの通知音が消える


 


ミュートにするという行動は、不快なSNSの通知音を消し去るというメリットが伴っていることがわかりますでしょうか。


よって、不快なSNSの通知音が鳴っているときにはミュートにするという行動が繰り返されることになります。


 


ここで理解していただきたいのは、感情と行動とはそれぞれ別々のメカニズムによって生じているという点です。


不快なSNSの通知音はイライラ(感情)をもたらすかもしれません。


でも、イライラしたから通知音をミュートにするわけではないのです。


通知音をミュートにするのは、不快なSNSの通知音が消えるというメリットが得られるからなのです。


 



  • 感情: SNSの通知音 → イライラ(感情)

  • 行動: SNSの通知音 → ミュートにする(行動) → 通知音が消える


 


また文脈も僕たちの行動に影響を与えます。


冒頭にあげたものと同じ例を使って説明しますが、「ひと仕事終えてのんびりしている」という文脈と、「〆切間際で急ぎの仕事を焦りながらやっている」という文脈で、僕たちの行動にどのような変化が起き得るでしょうか。


どちらの文脈においても、ミュートすれば通知音の消去という結果が得られます。


しかし、結果の行動に対する影響力はそれぞれの文脈で全く違います。


当然ですが、〆切間際で急ぎの仕事をやっているときの方が、通知音が消えるという結果のメリットが大きくなります。


次のように整理すると分かりやすいでしょうか。


 



  • 文脈: ひと仕事終えてのんびりしている

  • 感情: SNSの通知音 → あまりイライラしない

  • 行動: SNSの通知音 →ミュートにする → 通知音が消える(メリット小)


 



  • 文脈:〆切間際で急ぎの仕事を焦りながらやっている

  • 感情: SNSの通知音 →とてもイライラする

  • 行動: SNSの通知音 →ミュートにする → 通知音が消える(メリット大)


 


いかがでしょうか。


感情と行動、文脈の関係について何となく掴めてもらえれば嬉しいです。


繰り返しになりますが、ポイントは感情は行動の原因ではなく、感情と行動とはそれぞれ別のメカニズムで生じているという点。


それを踏まえた上で、次回は「感情的になってしまい失敗することが多い」という問題について考えてみたいと思います。


 


ではまた。


 


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