濱田預士之
濱田預士之

【093】酒と悟り 第十二話 10分の1で動け

2020/7/17配信


こんばんは、魂の使命を生きながら、人生そのものを楽しむ、
スピリットナビゲーターのマスターこと浜田義之です。


 



 


◆まずはお知らせです


大好きなことをして生きている人って
どんな人生を送っているのか。


マスターと、同じく好きなことをしてしか生きられなかった、
友人のひつきさんとで酒場のカウンターでトークします。


楽しんでこそ人生!


【ありがちなよく見せる「いい話」】ではなくて、
素のマスターの本音トークをお送りします。


◆詳細はこちら
https://www.reservestock.jp/events/461031


 


 


 


それから今夜は本編の前に、
みなさんにアンケートのお願いです。


 


最近みなさんから「こころに沁みる話し方の講座」以外にも
「こんな講座やセッションは出来ませんか?」
という声をよくいただきます。


 


そこで以下のリストの中でご興味のあるものを、
巻末の「お問い合わせフォーム」で教えてください。


 


またリスト以外でも「こんなのできますか?」
というものがあればお願いします。


 


・文章講座・インスピレーションライティング
(人を感動させる文章を書きたい)


 


・コーチ・カウンセラースキルアップ講座
(マスターの23年間現場で培ってきた知恵とスキルを伝えます)


 


・子育てセッション
(子供をのびのびと才能を伸ばしてあげたい)


 


・人間関係にブレークスルーをしたい


 


・より深い瞑想の講座
(真剣な瞑想をしたい)


 


・スピリチュアル講座
(真理やより深い自己の探求)


 


・自分の課題と才能の種を知りたい


 


・直感リーディングセッション


 


これら以外にも「こんなのできませんか?」
というリクエストがあればぜひ教えてください。


ご協力お願いします!



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それでは今夜の本編に入りましょう。



毎週金曜日の21時にお送りする、
本当の自分・魂の本当の目覚めへと導く物語。



この「酒と悟り」の物語は、
物語の行間から深い「気づき」や「閃き」
「インスピレーション」を受け取れるように
意図して創作している【特別なお話】です。



どうぞ行間から気づきや閃きを受け取ってください。



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◆この話を第一話からお読みになりたい方はこちらからどうぞ
 https://www.reservestock.jp/subscribe/NjJkZmVmYWRiY


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今夜は第十二話をお送りします。



バーのカウンターで
不思議な紳士に出会ったことをきっかけに、
男は本当の自分・真理に目覚めたい
という思いを抱きはじめました。



そして縁から男は禅の老師と出会い、
いよいよ本格的な修行をはじめました。


ですがその第一歩は
思いもかけない困難からはじまったのでした。


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    10分の1で動け
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カンカンカン!


 


板木(ばんぎ)を打つ小槌の音が山に響き渡り、
禅堂にも聴こえてきた。


 



 


それは夕食を知らせる合図の音だった。


 


男が禅堂で座禅を組み始めて既に5時間が経っていた。


 


5時間.............。


 


その間ほとんどの時間、男はずっと考えごとに囚われていた。


 


ずっと雑念に囚われていた。


 


男は今回のこの道場での修行で、悟ると決めていた。


 


肚(はら)を決めてきていた。


 


だが最初の第一歩でいきなり壁にぶち当たった。


 


思いあがっていた...とまでは思わなかったが、
自分が取り組むものが思っていたよりはるかに
高い山であったことを思い知らされた。


 


当たり前だ!


 


釈迦が6年もの歳月、命懸けで修行してようやく至った境地だ!


 


禅を組んで初日から易々と深い瞑想ができると思う方がおかしいのだ。


 


そう男は思った。


 


だから今の自分の「できなさ」から
必要以上に自分を責めることはないと思い至った。


 


だが打ちひしがれていたのも確かだった。


 


5時間もの間、考え事という
雑念妄想の世界を彷徨い続け、そのことに気づくことすらなく、
呼吸に集中できたのは、合わせてもほんの数分に過ぎなかった。


 


いや、もしかしたら実際に集中できたのは、
全部合わせても数十秒がいいところだったかもしれない。


 


なにせ修行の第一歩は自分がこれまでどれだけ
常に考えごとの世界の囚われていたかを思い知らされることであり、


 


呼吸を捉え続けるという、一見とても簡単そうなことが、
いかに己にとって困難なことだったかを思い知ることだった。


 


男はふらふらになりながら、座布を立った。


 


禅堂の畳はいつの間にか夕陽に紅く染まっていた。


 


男はこれまで自分が座っていた座布に手を合わせ、
振り返ると、これまで背を向けていた方角にも手を合わせ頭を垂れた。


 


そして禅堂を出る際も、振り返り手を合わせ、
頭を垂れてその場を去った。


 


男はゆらゆらと幽霊のような足取りで、
食堂へと続く薄暗い廊下を歩いた。


 


ため息を漏らしながら...。


 


薄暗い廊下を抜けると、食堂には数人の修行者たちが既に座していた。


 


上座には老師が沈黙して座っていた。


 


全員が黙し、その空間は張り詰めたような静けさが漂っていた。


 


男は黙って静かに一番下(しも)の席についた。


 


古い木製のテーブルの上には質素な食事が並んでいた。


 


男が座ると同時に全員が静かに合掌した。


 


そして般若心経を唱え始めた。


 


男は見様見真似で般若心経を読経した。


 


続いて五観の偈(ごかんのげ)という読経を皆が唱え始めた。


 


座禅修行における食事への感謝の読経らしかった。


 


これは男にとっては初めて聴く読経であり、
はじめての経験だったので戸惑いが内に生まれた。


 


男はとまどいながらも目の前に置かれた紙を観ながら、
見様見真似でぎこちないながらも読経をあげた。


 


読経が終わると、全員が今一度合掌をし、食事がはじまった。


 


男はここでいきなり戸惑った。


 


全員がおのおの箸をとり、椀をとり、
食事を始めたのだが、
その動きはまるでスローモーションのようだった。


 


ゆっくりと、まるで太極拳の動きのように、
スローモーションに全員が動いていた。


 


なにが起こっているのわからず戸惑っている男に老師は言った。


 


「普段の十分の一の速度で動きなさい」


 


?????


 


なぜ?なんの目的で?


 


男には理解できなかった。


 


なぜゆっくり動く必要があるのか?
それになんの意味があるのか?
男にはわからなかった。


 


ここではそれが作法なのか?


 


わけがわからなかったが、男はみなを真似て、
ゆっくりと箸をとり、ゆっくりと椀を取った。


 


その動きは滑稽なほどぎこちなかった。


 


まるで壊れたロボットのおもちゃのようだった。


 


男の内には動きながらも緊張が生まれていた。


 


ちゃんとしなくちゃ....。


 


なぜゆっくり動く必要があるのか?
意味も理由もわからなかったが、
ここではそうしなければいけない。


 


男はみなを真似て、ゆっくり動くように努めた。


 


ゆっくりと動かなくちゃ。


 


スムーズに動かなくては。


 


ちゃんとやらなくちゃ..........。


 


老師がこちらを見ている様子はなかったが、
男は自分が観察されているのをひしひし感じていた。


 


ちゃんとしなくちゃ......。


 


緊張は男の動きを固くした。


 


固くなった動きは、また更に男を緊張させていった。


 


ちゃんとしなくちゃ。


 


言葉にならないその思いが、男の身体を固くした。


 


そんな時だった。


 


その瞬間だった。


 


突然老師の怒号が響いた!


 


「なにをしているか!馬鹿者!!!!」


 


その声は雷鳴のように道場全体に響き渡り、
道場全体が細かく振動した。


 


机上の椀類がビリビリと
小刻みに震えるのが目に見えるかのようだった。


 


それほどの強烈な一喝だった。


 


男はぎょっとしてすくみあがった


 


オレ、なにかやったのか!?


 


なにかヘマをやらかしたのか!?


 


男は恐る恐る顔をあげ、老師の方を観た。


 


つづく。


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