歴史的な建造物を作るレンガ積み職人は有能なのか?:行動と動機づけの深い?関係(3)
皆様、こんにちは。
行動アシストラボの矢野です。
前回のメルマガ、文中で「下記の本を読んでみてください」と書きながら書籍の情報を書き忘れるという失態を晒してしまったわけですが、皆さんお元気でしょうか。
というわけで改めて書籍のリンクを載せておきます。
https://www.amazon.co.jp/dp/4791108620
ここ数回で取り上げている内容のベースになっているのはこの「関係フレーム理論」ってやつです。
こう自粛が続く日々は、視点を変えれば本を読む時間を確保しやすいってことでもあると思います。
興味があったら読んでみてください。
歴史的な建造物を作るレンガ積み職人は有能なのか?
適切な動機づけは、自分自身への強い説得力を持ちます。
理念や目標と呼ばれるものを、本人のエピソードを踏まえて構築することで、もしかするとそれら行動を変化させる力を持つかもしれません。
行動は通常、物理的・時間的に同じ空間で生じた変化の影響しか受けません。
しかしそれは動物の場合のみで、ヒトの場合、その認知能力を活用して、遠く離れた場所や過去・未来で起きた出来事を、現在の行動に関係づけることができます。
そこに「動機づけとそれに関する習慣が行動を変化させる可能性」があるのです。
3人のレンガ職人の話は聞いたことがあるでしょうか。
割と有名なやつです。
3人のレンガ職人がいて、それぞれ何をしてるのか問われたという話。
一人目は「レンガ積みをしている」と答え、二人目は「これで家族を養っている」と答え、三人目は「歴史に残る大聖堂を作っている」と答えました。
大抵の場合は三人目の職人を目指しましょう的なまとめ方になっています。
正直、僕としては三人の誰でも構わないです。
やるべき行動が求められるレベルで実践できていればいいわけですので。
ただ動機を目の前の行動に活かすという意味では、面白い例ですよね。
行動は「レンガを積む」でしょう。
一人目は行動をそのままただの行動と捉え、二人目は家族を養うこと、つまり収入と関係づけ、三人目は歴史的な偉業と関係づけています。
つまり二人目と三人目の職人は、目標や理念なるものをいま現在の行動に上手く活用できているのかもしれません。
もしそうであれば、当然、行動に変化が生じる可能性はあります。
目の前のレンガが収入や歴史的偉業と関係しているのですから、ぞんざいには扱わないでしょうし、もしかすると求められているパフォーマンス以上のことに積極的に取り組むかもしれません(※実際にどうかは記録・測定してみないと判断できません)。
そうであれば動機づけは行動に対して有効に機能しているといえます。
ただこういった行動の変化が起きるのは、収入や歴史的偉業との関係づけを意識できている場合のみでしょう。
僕たちはあるとき考えた理念や目標を、その日から常に意識して行動と関係づけることはできません。
思い出すためのきっかけが必要だし、思い出したことに何らかのメリットがなければ、理念や目標を行動に関係づけることは定着しないでしょう。
年初に目標を立てたり、コーチングセッションを一度受けて理念的なものを見つけたりしただけでは、行動への効果は見込めません。
一時的に気分が良くなって終わり。
次の日からはすっかり忘れて行動も変わらなかった、なんて失敗談は世の中にあふれています。
動機と行動との関係づけを定着させるための工夫が必要になります。
そこで出てくるのが動機づけに関する習慣です。
続きは次回。
ではまた。
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