UA-145591543-1 白石哲也 (しらいしてつや)イヴァナ・チャバックの演技術 公式メルマガ; Ivana Chubbuck Workshop Japan Email magazine - リザスト
白石哲也
白石哲也

LA Bootcamp 終了 / イヴァナが俳優を評価する基準

2020/3/12配信


((full_name))



イヴァナ・チャバックのワークショップ主催の白石哲也です。




今、LA の滞在先からこのメールを書いています。



2週間のLA Bootcampが終了しました。


ふ~~~っ、とほっと一息をついています。



いや〜〜〜〜〜〜〜、



濃かった。


今回のBootcampも参加者たちの人生を大きく変えるような、本当に濃厚な日々でした。


参加者の一人一人がそれぞれに得た宝物を胸に、日本に戻っていきます。


今回はLA在中の方、ハワイからの参加もあったので、それぞれの旅の続きがここから始まります。


毎回思うのですが、LA Bootcampにおけるイヴァナの参加者との関わり方は、本当に特別です。


来日ワークショップでは週末の2日間という本当に限られた時間の中で、参加者、見学者に対して、全身全霊を込めて接する様子を参加者の方は覚えているでしょう。


それに比較して、LA Bootcampでは、2週間という時間枠の中で、見学者が入らない環境の中、10人程度という少人数に対し、4度のセッションが行われます。


そして、イヴァナに手抜きは一切ありません。全員に対して、全身全霊を込めて接してくれます。


正直言って、LAのマスタークラスの生徒でも、イヴァナに集中的にこのような形で接してもらえる機会はないと思います。本当にスペシャルな時間と空間です。


4回に渡って、イヴァナは参加者1人1人と向き合い、それぞれが抱えている課題への直面を促し、時には厳しく、時には優しく、各人が顕在意識では認めていない、本当の問題を乗り越えるように導いてくれます。



ほとんどの人は、イヴァナが切り込むまで、そこにそんな問題があることを認めてさえいないのです。



今回、イヴァナと5年ほど接してきた僕が、改めて、発見した事があります。



それは、イヴァナが良い俳優とそうでない俳優を見分けるのにどんな基準を持っているか、ということです。



これは、今後、イヴァナの来日ワークショップを受けたいと思っている方、LA Bootcampに興味がある方にとっても参考になると思いますので、ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。



どんな基準だと思いますか?



それは・・・・・


 


「自分が抱えている物事の本質にしっかりと向き合い、そこに蓋をせず、あるがままに物事を見る、その態度があるかどうか」です。




人生にどんなひどい事が起こっていても、それを見ないようにして、



「私の人生には何も問題はない!」



と笑顔で言うような「ポジティブ・シンキング」な人っていますよね。




普通の人生を送るなら、それで問題ありません。



しかし、あなたが俳優で、そういう思考回路ができているとしたら、イヴァナから見ると、


 


「良い俳優ではない」、ということになってしまうのです。



イヴァナのテクニックでは、自分にとって感情の繋がりの深い人を演技の中で「代替者」として使いますが、
そこには自分にとっての真実があります。



そこに目を逸らさず、その人間関係が自分にとって意味することにしっかり向き合い、その課題を乗り越えるという挑戦を演技の中ですることができるかどうか、そこが問われます。


今回も改めて思いましたが、イヴァナの人を見抜く力はずば抜けており、参加者のほとんどが、



「え〜、この課題が来るか〜!?」、と思わず声を上げるような未解決の問題に直面するよう導かれました。



しかし、イヴァナを信頼し、リスクを取ることを恐れなければ、自分を驚かせるような内容が自分の中から出てきて、まさにそれが、自分だけが持つユニークな武器となるのです。


ここまで体験することは、ほぼ全員が同じなのですが、本当に大切なのはそこからどうするかです。


イヴァナが向き合わせてくれた、その題材にしっかり向き合い、それを自分の演技の色として存分に活かせるかどうか、そこからが優れた俳優として勝負できるようになるのかどうかの決め手となるのです。


今回も、多くの参加者が自分の内面にしっかりと向き合い、その課題を乗り越えていく勇気を見せてくれました。


そして、イヴァナが求めているのは、その先です。


それを自分が持っている演技で使える大切な道具としてしっかりと認識し、演技に活かしていくことです。


そのためには、イヴァナがこじ開けてくれた、顕在意識と潜在意識がつながる道を、しっかりと行き来のできる、舗装された道路にする必要があります。


イヴァナの生徒でもある俳優のエリック・ラ・サルが、イヴァナの代講をした時に言っていた言葉に、



「Own Your Shit!」があります。



自分のShit(糞が直訳)を自分のものにしろ!というのはまさにこの事を言っています。


せっかくイヴァナが自分の内面を引き出してくれても、それをしっかりと自分のものにして、自分で使いこなせるようにならなければ、いつまでもイヴァナに依存することになってしまいます。


自分についての理解が深まったなら、自分の武器が何であるのかわかったなら、それを弾薬庫に装備しておき、必要な時に使えるようにすることが重要なのです。



イヴァナがよく言う



「私の指導はセラピーではない」



という言葉の意味もそこにあります。


押し込められた感情が解放されると良い気分になりますが、俳優の仕事は、そこで涙を流して終わってはいけないのです。



感情に浸るだけで、それを燃料にして目的を取りにいかなければ、それは単なるマスターベーションにすぎない、とイヴァナは言い切ります。



イヴァナの指導を受けたことがある方も、今後受けて見たいと思っている方も、より優れた俳優になるために、ぜひこの基準を取り入れていただければ、と思います。



さて、この教えを会得できている度合いは各人違いましたが、参加者全員が、イヴァナのある意味、容赦のない愛を体感しきったこの2週間だったと思います。




本当にお疲れ・・・いや、お愉しみ様でした!!




ところで、今回も参加者は女子が多かった(東京もLAも参加希望者は女性の方が多いですね。男子ももっと来て欲しい!)こともあり、普遍的なテーマでもある、女子のエンパワーメントという主題が大きなテーマとして扱われました。


特に、セクシュアリティの部分に関して、虐待、抑圧、(肉体的・精神的両面での)レイプ、そういった経験を通して、パワーを失っている女子は非常に多いため、今回のBootcampでもイヴァナはその部分に念入りに取り組みました。


この社会における女性の立場、あり方を変えていくためにも、女性のエンパワーメントのためにも、俳優に託された役割は非常に大きい、と改めて感じました。


俳優という職業自体も、男性がパワーを持つ業界の中に存在するため、そんな世界の中で女子がパワー・バックするのは非常に大切なことだ、ということをイヴァナは改めて、そのあり方によって見せてくれました。


今回参加した俳優の中から、「オスカーを取ってイヴァナに感謝の言葉を贈る」と宣言した女子や、イヴァナのマスタークラスにいきなり参加が許されることがほぼ確実なメンバーも出ました。


それぞれの、ここからの活躍が本当に愉しみです。


4回目のLA Bootcampが終了しましたが、今後も、イヴァナから許可してくれる限り、このBootcampを続けていきたい、と思います。


ただし、今回の12人は例外となり、今後は多くても10人、あるいは8人での開催となりそうです。



LA Bootcamp次回開催はまだ決まっていませんが、興味がある方は、ぜひこのメールに返信して、熱い想いを伝えてください。優先的にご案内させていただきます。




それではまた!




Empowerment through the arts!


白石哲也





 


 


バックナンバーを読む ▶


 


配信停止ご希望の方はお手数ではございますが https://resast.jp/page/ss/ から解除をおねがいいたします。


メールアドレスを変更される方はお手数ですが、このメールに返信のうえ、新しいアドレスをお教えください。