サカイ優佳子
サカイ優佳子

【食を読む】古代ギリシャでは、食は哲学マターだった!?

2020/1/29配信


皆様、こんにちは。
 


食のサステナビリティ研究家
一般社団法人DRYandPEACE代表理事のサカイ優佳子です。

今年になって何冊か本を読んだ中で、「お!」と思ったのがこの一冊。
いま、なぜ食の思想か

いま、なぜ食の思想か

著者は19世紀ドイツの哲学者フォイエルバッハの研究者。
 


彼の「食とは、食べるところのものである」という言葉から、食の思想について考え始めたと言います。
 


 


和食のユネスコ無形文化遺産登録を考える


まずはこの部分で、引き込まれました。



  1. 登録の目的は、表向きは食文化の保護だが、実は原発事故によるダメージから抜け出すための経済効果を狙ったのではないか

  2. 国が個人の食の領域に介入するのはイデオロギー教育ではないか。

  3. 食育の場で、なぜ和食であるべきとする必要があるのか。

  4. 和食は日本人のアイデンティティを形成するというが、沖縄やアイヌをどう考えるのか。


などを指摘しています。

私自身、和食は大好きで、実際和食を作ることも多いですが、食育の場で家での食事を「和食」にするべきというのには、実は長年違和感を抱いてきました。

 


 


古代ギリシャの食の思想





ピタゴラスがベジタリアンの父と呼ばれるのは知っていましたが、ヒポクラテスもアリストテレスもプラトンもソクラテスも、食や料理のことについて語っているというのには驚きました。

古代ギリシャでは、食は哲学マターだったというのです。

世界初の食の哲学書は、プルタルコスの「食卓歓談集」。


食卓での会話に哲学はぴったり、という考え方。「共食」(と言っても男性だけですが)の場としてのギリシャ的宴会「シュンポシオン」では、いかに対話を楽しむかが重視され、この本では、その中でも食の場にふさわしい哲学的な話題について触れられているとのこと。
読んでみようと思いました。


食卓歓談集


その後、キリスト教によって、食の秩序化がなされ、さらにはフランス革命を契機に、王侯貴族のものだった美食が市民にも広がり(シェフたちが勤め先がなくなってレストランを開くようになった)、栄養思想をはじめとする食の科学的探求と、食の美学を追求するガストロノミーとが生まれます。

ガストロノミーといえば、日本では食べ歩きをはじめとする「グルメ」のイメージがありますが、食べることの喜びを肯定し、美味しさの秘密を探求し、料理技術による美味の創造的役割を評価する、食の美学ともいうべきものだと著者は言います。

 




ヒトラーのベジタリアニズム



 


ヒトラーはベジタリアンでした。
飢餓の時代を経て「食の公共化」を打ち出し、「コーシャ」を動物虐待とすることでユダヤ人の排斥につなげたり、料理はドイツ民族のためのものとするなど、食を政治に巧みに利用してきたという指摘を、非常に興味深く読みました。

 

また、マクロビオティックの提唱者として有名な桜澤如一が、当初ヒトラーの食の思想を礼賛していたということも、この本で初めて知りました(戦後に転向)。

 

さらに、トルストイの平和主義的で人間の平等を考えるベジタリアニズムや、ベジタリアンを絶対視せず、自然や他の生き物との共生を自覚し、非ベジタリアンを含む他者との対話を試みる宮沢賢治のあり方(「ビジテリアン大祭」)の紹介などもあり、読ませます。

 

 



いま、なぜ食の思想か



 


日本は、西洋の食の技術だけを取り入れて、その思想を取り入れてはこなかったと著者は言います。

そして、食の思想の歴史を振り返り、今日の食世界が抱えている問題について考えるべきときにきているのではないかと提案し、特に、食がイデオロギーに利用されないこと、また本来の意味でのガストロノミーの復権が大事であるとしています。

この本の視点はユニークで、食に興味がある人にはぜひお勧めしたい一冊です。

 


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4月4日(木)14:00~16:00
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4月12日(金)19:00~21:00
4月20日(土)15:30~17:30


詳細、お申し込みは↓から
https://www.reservestock.jp/page/consecutive_events/14122


乾物防災食講師養成講座
*乾物防災食講座受講済みの方、あるいは受講予定の方のみお申し込みいただけます。


*未受講の方は、2月29日より前に録画受講をしていただければご参加可能です(お問い合わせください)


1日目 : 2月29日(木)13:00~15:00(録画受講可能)終了


2日目: 4月4日(木)


https://www.reservestock.jp/page/consecutive_events/14146


 


もう野菜を無駄にしない!自家製乾物作り講座


基礎編


日程調整中


詳細、お申し込みは↓から


https://www.reservestock.jp/page/consecutive_events/16027



野菜を自分で乾物にする方法、保存法、美味しいレシピをご紹介。


下は、講座参加の皆さんが作った乾物の写真です。



 




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